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音楽情報館
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音楽とは何でしょう?

世の中には誰にも「正解」がわからない問いがあります。「音楽とは何か?」というのもそのひとつで、「人は何のために生きているのか?」とか「神はいるのか?」という問いと同じで、万人が納得する答えというものは見付かりそうもありません。だからといって、そのような問いが無意味かというと、どうやらそうでもなく、例えば今日の作曲家の営みの多くは、「音楽とは何か?」の問いを共有することでそれぞれの探求が連関する、と言えるかもしれません。演奏家も、そして聴衆も同様に…。

歴史的に見れば、この問いには条件付きならこれまでに「正解」と言えるものが存在しました。中世西ヨーロッパの教会の中でなら、音楽とは神の御技だったでしょうし、古代の東アジアでは政治の一部であったこともありました。またアフリカのある地域では、それは自然言語のもうひとつの形態のことでした。同じように「誰々にとって」という限定を行えば、あるいは各人にとっての答えは見つかるかも知れません。しかし、それは本当に「正解」なのでしょうか?

この問いをもう少し限定してみましょう。西洋音楽では、「音楽とは何か?」ということをその中心課題として探求してきた学問分野は、ひとつは音楽美学、もうひとつは音楽理論でした。音楽美学では哲学的に、音楽理論では科学的、とそれぞれのアプローチの仕方は違っても同じ問いを探求してきました。今日ではまたさらに様々な学問分野からの見地も広がってきています。

このコラムは、音あるいは鳴り響きはどのように成り立っているか、つまり主として音楽理論の観点から音楽を考えていきます。  →次へ

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