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音の高さ2

耳がある音域になれていると、その音域の中で上限あるいは下限に近づく音が、高くあるいは低く感じるということもあります。男声合唱でテノールが高くきこえ、女声合唱ではそれよりもやや高い音域をうたうアルトが低くきこえるのも、相対的な音の高低の範囲に対する耳の慣性があるためです。音高の区別には、楽譜上、つまり伝統的な記譜法上の区別のほか、このような心理的要因も作用しています。

音高は、科学的には単位時間あたりの空気の振動数のことで、振動する回数が多いほど因襲的な言い方では「高い」、また、少ないほど「低い」と表現されます。このことは同一の楽器が発する音をわたしたちが区別するするときには、確かに納得できます。

わたしたちは「一点ハ」とか「二点ロ」というように音の高さを区別していますが、音の高さはそれ自体で存在している訳ではありません。常に何らかの楽器で演奏されます。電子音楽を含めても、音色を全く伴わず音高としてのみ存在し得る音はありません。

ピッコロの最低音「レ」を想像してみましょう。この音はピアノの真ん中の「ド」の隣の「レ」より1オクターブ上の「レ」と同じ高さの音です。同じ高さの音にきこえるでしょうか?バス・クラリネットとピッコロではどうでしょう?コントラバスのハーモニクスとアンティーク・シンバルではどうでしょう?

この音色というものは、音の高さをわたしたちが認識する際に少なからず影響を及ぼすということがあります。先程の「レ」の音も、高音域を演奏する楽器できく方が、低音楽器できく時よりも低く感じられることでしょう。逆もまた然りです。

では、音色とはなにでしょうか?次回は音の要素のうちのひとつ、音色について考えてみましょう。→次へ

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